入院中の生活
入院中における主な治療およびケアをご案内します。
薬物療法
認知症によるさまざまな症状は、環境調整やケアだけでは改善しないこともあります。その場合、抗精神病薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、睡眠薬などの向精神薬のほか、漢方製剤による治療が行われます。薬物療法は、ご家族と、医師、看護師が相談しながら患者さんの体質や合併症なども考慮したうえで行います。
尊厳ある日々のケア
入院の要因で最も多いのが、暴力行為、介護に対する拒否、大声、夜間不眠、外に出て帰れなくなってしまうなどです。そのような患者さんも隔離や身体拘束はしないことをモットーにケアをしています。当院には、身体拘束をする用具は一切ありませんので、点滴治療や経管栄養をする際にももちろん拘束はしません。
日常生活のケア
患者さんにとっては、日常生活への支障が一番の問題です。食べること、排泄すること、お風呂に入ること、髪を整えたり歯を磨いたりすること、着替えること、ベッドに入って寝ることなどが上手くいかないのです。だからこそ、日々繰り返される日常生活のケアを大切にしています。
終末期のケア
認知症の終末期になると、物を飲み込むことや車いすに座っていることが困難になり、いわゆる寝たきりの状態になります。患者さん、ご家族の意向を尊重しながら、苦痛を緩和し、心地よく過ごしていただけることを大切にしています。