治験について
治験とは
「薬の候補」を「薬」と認めてもらうために行われる試験のことを「治験」といいます。
「治験」は一般的には3つのステップで慎重に進められます。
第1ステップ
少数の健康な人にご協力頂きます。
ごく少量から少しずつ薬の量を増やしていき、安全かどうか調べます。
また、薬がどのくらい体内に吸収され、どのくらいの時間で体内に排泄されるかも調べます。
第2ステップ
少数の患者さんにご協力頂きます。
本当に病気を治す効果があるのか、どのような効き方をするのか、副作用は許される範囲か、どういう使い方をすれば良いか、を調べます。
第3ステップ
多数の患者さんにご協力頂きます。
効果があるかどうか、安全かどうかの最終的な試験を行います。
認知症治験の意義
「認知症」とは、さまざまな原因で記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすことをいいます。
認知症を引き起こす原因はさまざまで、中でも多いのが「アルツハイマー型認知症」です。
アルツハイマー型認知症について世界中で研究が行われておりますが、いまだ原因も解明されておりません。
現在ある治療薬は認知症に伴う症状をできるだけ軽くし、進行の速度を遅らせるもので、病気そのものを治療する薬はありません。また、この病気で失われた神経細胞は再生しないため、進行した認知症では低下した機能を回復することは難しいという問題もあります。そのため、発症前の段階での治療を目指し、薬の開発が行われています。その意味でも早期発見・早期治療は今後ますます重要になってきます。
より効果が高く、副作用が少ない認知症の「薬」の開発は、患者さんの健康だけではなく生活の質を向上させるうえで必要なもののひとつであり、また「これから認知症になるかも?!」と心配をしている多くの方々の希望でもあります。
新しい薬は皆様の善意から
薬を飲んだことがない!という人は多分いないでしょう。
病気やケガと闘うためになくてはならない薬。
現在、皆さんが飲んでいらっしゃる薬は、過去に「治験」を行って、効き目と副作用などを確認されてきたものであり、先人の善意により誕生した「先人からの贈り物」といえます。
つぎは、皆さんがこれからの人々のために協力してみませんか?
治験Q&A
成分を含む薬と見た目には区別がつかないようになっています。
服用後の効果や症状が成分を含む「薬の候補」によるものか、服用時の条件や環境によるものなのかを公平に評価するために用いられます。
初診料や診察費などについては患者さんの負担が発生しますが、治験薬を使用している期間中の検査や一部の薬の費用は無料となります。
治験薬も無料で提供されます。
そのほか通院の交通費などの費用を、一定の範囲でお支払いしていますので、治験に参加することで費用はかかりません。
次の世代により良い薬を残すために協力するという社会貢献ができます。
治験中は専門医による検査と、経過についてのくわしい説明を受けることができます。また治験薬が、従来のくすりよりも患者さんに合うこともあります。
治験にもよりますが、日誌などの記載が必要な場合もあります。
治験薬が患者さんによっては無効であったり、予期しない副作用の可能性もあることなどです。
これらのことは担当医師から説明がありますので、了解のうえで参加していただくことになります。
この同意書は通常、治験についての説明書とセットになっています。
治験への参加は患者さんの自由意思です。いつでも担当医師にいって取りやめることができます。取りやめた場合にも、患者さんに不利益となる扱いを受けることはありません。
ただし、ご本人の意思を確認することが難しい場合、親権者、配偶者、後見人など、ご本人以外の方の手続きでもご参加いただけます。
これらは、担当医師や治験コーディネーターから具体的に説明があります。
必ず担当医師もしくは治験コーディネーターに、現在受診されている医療機関および使用されているお薬に関して伝えてください。
治験参加中に、新たに医療機関を受診される場合や新たにお薬(薬局で購入される市販薬も含む)を始める場合は、事前にご連絡ください。
補償の扱いは治験によって多少異なりますので、それぞれの治験説明時に医師や治験コーディネーターが詳しくお話しします。
(代表)048-450-3311